宿便の体への影響と宿便の除去

宿便とは何か

 

いつ頃から使われるようになったのかは定かではありませんが、現在では「宿便」という言葉がよく使われます。たいていは健康食品やダイエット商品の宣伝文句として使われているようであり、「宿便は肥満や肌荒れの原因になるので排除するべきである」というような説明がなされていることが多いようです。

 

この宿便のイメージとは、水道管の内側にこびりついたヘドロのようなものです。腸壁はひだ状になっているため、へこんだ部分に便が入り込んだまま溜まってしまうことがあると聞くと、何となく納得してしまいます。

 

しかし、現在の医学では宿便というものは認められていませんし、宿便という医学用語も存在していません。実は、水道管のイメージのように、腸の中に便がこびり付いてしまうようなことはあり得ないのです。

 

腸壁には常に粘液が出ていますし、新陳代謝によって常に新しい細胞へと生まれ変わっています。また、腸のヒダは常に波のように動いているため、同じところが出たり引っ込んだりしています。便はその中を通過していくのですから、引っ込んだところに便が溜まりっぱなしになることはないのです。

 

便が溜まるとすれば、便秘によって古い便が腸の中に貯まっていく「滞留便」という考え方が正しいのです。宿便が滞留便のことを意味しているのなら正しいのですが、ほとんどの場合、間違った認識を持っているようです。

 


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