便秘薬のデメリット
正常な状態の大腸は、食べたものが腸内に入ってくるとその刺激を受けて、蠕動運動と呼ばれる内容物を先へ先へ送り出す動きをし始めます。
この蠕動運動の反応が鈍くなっている状態が便秘であり、この場合では、腸の中に食べたものが入ってきても、その刺激で腸が動き出さなくなってしまっているのです。
便秘薬は、蠕動運動の反応が鈍くなってしまった腸管を、強い刺激成分により刺激して無理やり排便を促すものです。
しかし、この場合には、腸が正常な蠕動運動を行なっているとは云い難いものがあります。
便秘薬の代わりに、ハーブティーなどで排便を促すこともありますが、たとえ自然のものであっても刺激の強いものが入ったハーブティーなどは、やはり便秘薬と同じ結果となるのです。
問題となるのは、こうした強い刺激物によって排便を促すということが、習慣化してしまうことです。
そうなってしまうと、腸は便秘薬やハーブティーなどの強い刺激によって、徐々に反応が鈍くなっていくので、排便をするためにその量をどんどん増やしていく傾向が強くなっていきます。この悪循環が便秘薬のデメリットなのです。
便秘薬は排便を促す薬であって、便秘を治療する薬ではないのです。便秘薬はあくまでも一時的に使用するべきものであり、あまり長い期間に渡って常用すると、むしろ腸の働きを損なう恐れがあるということを、認識しておくべきです。